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2008年10月25日 (土)

EUC基板完成(レジストマスク~部品実装)

     今日は、EUC基板のレジストマスク方法を紹介します。
はっきりいって、めんどくさくて、気の長い作業なので、気の短い方には困難かと思われます。そのつもりでお読みください。

Img_0984_2 ←これは、メーカー製の本物。
レジストマスク(ソルダーレジスト)は、半田がのってはこまる部分を絶縁性のインクを使ってマスクするもので、これが無いと、峡ピッチのパターンでは、あちこち半田が付いてしまうので、まともに部品を半田付けすることができません。また、銅はくの保護や、導電性の異物によるショートを防止するためにもレジストマスクは必需品です。
なかなか自分でレジストプリントをされる方も少ないので、やってみました。
ちなみにサンハヤトにも、レジストプリントキットがありますが、受注生産だそうです。

では、考えに考え抜いた所長式レジスト印刷方法を紹介・・・

まずは、木工ボンドと爪楊枝を準備
Img_0864_2Img_0863_2半田を付ける部分に、爪楊枝で木工ボンド(速乾がヨシ)慎重に塗ります。はみ出たら木工ボンドが乾いた後に修正します。

Img_0875_2次にレジストインクを塗ります。
所長はサンハヤトのソルダーレジスト補修材(AYC-20GR)を使い、エアブラシで塗装することを考えました。
(失敗に気づくのは後ですが・・・)
Img_0878 こんな感じで、固まった木工ボンドの上から満遍なくレジストインクを塗ります。
刷毛でも塗れると思いますが、仕上がりを気にする方は、エアブラシがいいっすよ!

Img_0877_2 レジストインクが固まったら、カッターや、ピンセットを駆使して、木工ボンドを剥がすんです。
この作業が、場所によっては、ルーペで覗きながらで、片面1~2時間かかりますんで、気の短い方には向きません。

Img_0880はいっ! これで完成!



しっしかし・・・
このレジストには落とし穴が・・・

レジスト補修材の小瓶を良く見ると書いてあるんですが、
「実装済み基盤用」 ん?どゆこと?
実は、耐熱が100度しか無いんです。このレジスト液。
試しに、レジストの上から半田をたらすと、せっかく塗ったレジスト液から普通に半田がついてしまうでは無いですか?
半田の温度は250度くらいなので、当たり前ですが・・・

こんなことにはめげない所長。
これまた考えた挙句、ラジコンエンジン機の塗装に使う「ウレタン塗料」を使うことにしましたっ。
「ウレタン塗料」とは、2液性の塗料で、車の塗装にも使われる対熱に優れた塗料で、基板の塗装に使うとは聞いたことありませんが、きっと使えると確信してやってみました。

これが大成功!

Img_0929基板っぽい色の緑は持ってないので、青を使いましたが、なんだか良い感じに仕上がりましたよ!

基板が完成したら、表と裏のパターンをつなぎます。
所長は、φ0.6の穴を開け、φ0.6のリードを埋め込み、表裏を半田でつけました。
これで、両面基板の完成!
Img_0930Img_0932 Img_0935Img_0936


この後、パターンの酸化防止と、半田付けをよくするため、液状のフラックスを前面に塗れば、完璧です。
(所長は、会社の製造ラインから液状フラックスを入手して刷毛で塗りました。)

最後に部品を実装してEUC基板の完成です!
Img_0989Img_0988

基板製作開始から、ここまで1週間くらいかな~
では、気のなが~い方は、ぜひ挑戦してみてくださいね。

※注意
この方法では、木工ボンドのカスが取りきれません。残ったボンドのカスがパターンにどんな影響を及ぼすかなんてまったくわかりません。最悪の場合は、後で腐食するかもしれません。基板の信頼性試験なんか当然やってませんので、所長は責任持てません。
あしからず・・・

一通り、基板の動作確認ができたら、EUC基板の回路図やパターンを公開しますね。

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2008年10月21日 (火)

EUC基板完成(パターン~エッチングまで)

  EUC基板が完成しましたので、報告しますね。
(EUC:ジェットエンジンのコントロール基板)

元々、電気屋が本職の所長は、張り切りましたよっ!
基板の仕様:両面、スルーホール無し、パターン幅0.25mm
レジストあり、仕上げはフラックス塗り

では、気合の製作過程を紹介しましょう!
細かい説明は、もっと詳しいサイトがあるので、そちらにお任せしてここでは概略の流れを写真つきで紹介します。

パターン設計
Img_0766 フリーのCADを使って、回路図とパターンを引きます。所長は、ドイツ製のEagleCAD
このCADは、100x100mmまではフリーで、しかもパターンを自動で引いてくれる優れもの! かなり操作性にクセのあるCADですが、日本語の解説が沢山あるので、何とかなりますよ。こことか、こことか、ここでお世話になってます。
パターン幅は、0.25mmくらいが限度かな?(もう一回り幅が広いと製作は楽だと思う)

フィルム作成
パターンを焼き付けるために、透明のフィルムにパターンを印字します。
フィルムは、サンハヤトのインクジェット用フィルム(PF-3R-A4)を使いました。
A4が3枚で1800円と高いけど確実。
印字面が基板に密着するように、裏表を注意しながら印字してくださいね。
プリンタの設定は、最低限「高品位」「黒インクだけ使う設定」とし、テストシートを使ってきれいに印字できるように、念入りに調整してくださいね。
Img_0768Img_0769Img_0770



基準穴と基準ピン
基板はポジ感光剤がコーティングされているサンハヤトの両面ガラエポ(31K)を使いました。
両面基板の場合は、如何に表裏のフィルムをぴったり合わせるかがポイント!
これ以上の合わせはできないほど、ぴったり合わせられる、本職の基板屋さんと同じ方法を紹介します!

まずは、表裏のフィルムをぴったりと合わせテープで固定。Img_0825_2
Img_0826Img_0827



テープで固定されたフィルム2枚を、そのまま感光基板の片面へさらにテープで固定。
(ここからは薄暗い部屋で作業!パターン部分を傷つけないよう注意!)
Img_0828パターンの外側部分のどこでも良いので、ドリルで基準穴を開けます。
ドリルの刃はφ0.8~1.0mm位で良し。但し、必ず2本用意します。
対角線に1対。後で向きがわかりやすいように、片側1ヶ所、片側1ヶ所開けると良いでしょう。もちろん穴は、貫通穴です。

ここで注意!
よっぽど上手くあけないと、基板に開いた穴の出入り口に、バリができるので、必ずこのバリを平らにならしてください。後で感光する際に、フィルムが密着しなくなります!(所長失敗談)
所長は、薄暗い部屋の中、リューターでバリを削りました。

フィルムの貼り合わせImg_0829
テープで貼ったフィルムをそおっと剥がし、表と裏のシートをそれぞれに分ける。
基準穴を開けたドリルの刃を、おもむろに基準穴に差込み、基準ピンとする。
その基準ピンに合わせて、表裏のフィルムを本来の向きで密着させる。
表と裏のフィルムをそれぞれテープで止めたら、基準ピンを抜いて準備完了。

感光
では、紫外線を当ててしまいましょう!
一番いいのは、太陽光です。何しろ光は太陽から直進してくるので、フィルムが多少浮いていても、きれいなパターンを焼くことができます。
でも、なかなか太陽を拝むことができないハノイでは、(これまた)サンハヤトのちびライト(BOX-1)を使いました。いつでも紫外線を当てることができるので、便利ですが、フィルムを密着させないとぼやけたパターンになるので、要注意!
上から重石を乗せればいいというものでも無く、基板の厚さ、フィルム2枚の厚さを考慮して、ガラスを挟まないとだめみたいっす。
(所長はこれがへたくそなので、これ以上説明しません!あしからず!)
Img_0775ちなみに、このフィルム、感光基板、ちびライトの組み合わせでは、9分くらいが最適な感光時間と思われます。
(適当にやると、必ず失敗するので、事前にテスト基板で試してください)

現像
感光が終わったら、ポジ感光基板用現像剤(DP-10)で余分な感光剤を除去します。
Img_0776現像液は、人肌くらいに暖めて使います。(冷めてても大丈夫ですが)
これが、現像後のパターン

パターンエッチング
いよいよ、エッチングに入りますが、その前にエッチング液を十分に暖めておきます。使用時の温度は、40~50度が最適なので、エッチング中もお湯を流しながら暖められるようにしておくと良し。
Img_0774




Img_0830 エッチング後の状態
(この状態で、満足がいかない場合は、もう一度フィルムを貼って、感光のやり直しができますが、パターンが細るので覚悟してからやり直してくださいね。)
Img_0832
なかなかホレボレとした出来栄え!


Img_0833
最後にショートした所を、カッター等で修正して出来上がり!

この後、絶縁用のレジストも塗ったので、報告します!(ふーっっ)

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2008年10月16日 (木)

基盤作成中(ここまでやるか?)

しばーらくだんまりを続けておりますが・・・
何もしてない訳ではなく、あまりにも切りが悪くて、
報告してませんでした。m(。・ε・。)mスイマソ-ン

今、基盤作ってるんです・・・両面板を。
Img_0835



しかも、レジストマスク仕様!
Img_0845



どうやって、作ってるかって?
ちゃんと報告するので、ちょーっと待っててね。
(うーっっ、手が痛い・・・)
(毎日、ねむいーーー)

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