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2008年7月13日 (日)

コンプレッサーRev02

さて、お立会い!
今日は所長の嫌いな計算のコーナーです!
先週ディフューザーの勉強をしましたので、検証と改良の報告をします。

計算コーナーに先立ちまして訂正があります。スミマセン。
先日、始動用モーターで、20000rpmまで回ったと報告しましたが、「そんなに回るわけないでしょ」の御指摘を受け、(実は内心そうだねと思いつつ)検証したところ、プログラムのミスがあり、回転数が1.33倍になっていました。
実際には、20000rpmではなく、15000rpmの誤りでした。(Thanks すっぽんのくりさん)

さて、本題です・・・(今回は気合が違う!)
とりあえず形だけはできたジェットエンジンですが、この時点では、まったく論理的に設計されていない為、圧縮さえままならない状態ですが、ここからですよ!ここから!(ここからが長いと思うが・・・)
先週までに習得した知識を検証してみたいと思います。難しい計算は抜きにして、比率での検証です。

コンプレッサーRev01の圧縮性能

  7500rpm 0.001kgf/cm2
15000rpm 0.002kgf/cm2
Diffuser_dimensions_rev01






  ディフューザー入口 45*π*5.3 = 749 mm2
 ディフューザー出口 74*π*5.3 = 1231 mm2

 ディフューザー入出面積比
     Endless 1.64
     KJ66     2.18(参考)
     FD3       1.37(参考)

コンプレッサーRev01の問題点
Diffuser_air_route_01実は、作っているときから、「こんなのダメだよな~」と思っていたのですが、やっぱりダメでした。左図はコンプレッサーRev01のディフューザー断面です。青丸のところを拡大したのが左図下。
ごらんのように(Aのところ)、吸気口に対して、コンプレッサーの出口が高くなっており、どう考えても空気がスムーズに流れない構造になっていました。


Rev01→Rev02の改善
Diffuser_air_route_02左図の様に、吸気口を高くしました。これが先週言っていた「入り口を小さく」です。(笑)
と、同時に排気側を1mm削って、入出力の断面積比率向上を狙った。
Img_0006Img_0005Img_0007





コンプレッサーRev02の圧縮性能

  7500rpm 0.002kgf/cm2
15000rpm 0.003kgf/cm2

 ディフューザー入口 45*π*3.0 = 424 mm2
 ディフューザー出口 74*π*6.3 = 1464 mm2

 ディフューザー入出面積比
     Endless 3.45(比率で約2.1倍向上)

かなり大雑把な計測ですが、ざっと圧縮比で1.5の性能UP!
となりました。
ディフューザーの入り口を小さくした訳ですからその分、流入速度は以前よりも速くなっており、流入時の圧力もRev01よりは、下がっていると思います。
しかし、元々Rev01の空気の流れもいいかげんだったので、トータル+の結果になったのでしょう・・・

しか~し改造をしているうちに、構造上の問題が浮上しました。

Rev02の問題点
Diffuser_air_route_03せっかく入出力比(B/A)を改善したのに、ディフューザーを出た後のガイドベーン通路(C)の方が狭いじゃああーりませんか?

ディフューザー出口のGV通路の断面積(C)
(84/2)^2xπ - (74/2)^2xπ = 1240 mm2

入り口(A)→出口(B)→GV(C)の断面積は次の通り
424→1464→1240
結局断面積比(C/A)の比率は、最終的に2.9となり、なんとももったいない結果となりました。
→ そのうち、FRP加工を駆使して、意地でもGVの経路を広げたいと思います。

コンプレッサーRev03への改造計画
Compressor_modify_idea
現在のコンプレッサーブレードは、左図その1の様な断面になってます。
車のタービンブレードを見ると、絶対にそうはなっていませんので、普通に考えても、効率が悪いことが分かります。

そこで、あたらしくブレードを作るのもいいのですが、かなり大変そうなので、その1のブレードを改造して、もっと効率を上げる努力をしたいと考えます。

改造アイデア
手曲げ3次元ブレード(笑)の内部を盛る(その2)
ブレードを削って、ケース内壁を盛る(その3)

コンプレッサーの検証の為には、手持ちのもう少し大きなモーターに替えたいんですが、これがまたモーターの軸径が違うので、手作りクラッチも作り直しになり、面倒なんですよね・・・
もうすこしこのままのモーターで進めるとします。

ということで、今回の報告はここまで。
今度の改造は、いつかなぁ~?
来週は土曜日出勤だから、再来週かな~
今回は、意外とまじめにやってるでしょ→すっぽんのくりさん
所長の勘違いなどあったら訂正よろしく!

参考情報
ちなみに、今回のパテ盛りで活躍したのは、
2液性のエポキシ接着剤(90分)とポリパテ。   Img_0009

本来は、ポリエステル樹脂と混ぜて使うんですが、ポリエステル樹脂は、匂いが臭いし結構面倒なので、2液性のエポキシ接着剤を使いました。
ポリパテは、細かい中空の樹脂で、マイクロバルーンとも言い、本来はラジコン飛行機工作での軽量化が目的です。
あんまり、そこら辺では売ってないので、欲しい方はラジコン系ショップの通販などを使ってください。ハノイまで来ていただければ、おすそ分けしますよ(笑)

使い方ですが・・・
2液性樹脂を混合したあと、ポリパテを充分に混ぜるだけ。
いくらでも混ぜられますが、今回はおよそ3~4倍の容積にしました。
90分タイプのエポキシなら、作業時間は充分ですし、硬化時間が長いため、隅々まで浸透することで接着強度も高まります。
一晩置くと、カチカチになりますが、ヤスリやサンドペーパーで容易に加工できる上、効果後の収縮も少ないので、パテとしての使い勝手は良いでしょう。

以上

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コメント

 こんばんわ。
 ネットで、コンプレッサー改造に参考になりそうなサイト、および性能計算プログラムが転がっていないか探してみたのですが、ここなんかどうでしょうか?

http://homepage2.nifty.com/nobbypro/

 性能概算プログラムなどが3本。本当にアルゴリズムが妥当かどうか、まだ細かいところまで追っていないのですが、径6cm台のインペラで性能計算してみたところ、(インレットが流入不足で失速するとか言われますが^^;)まあ妥当な値が得られるようです。年配の方のサイトのようですが(何せ、言語がF-Basic)、説明も丁寧です。説明中(オイラー)ヘッドなる言葉が出てきますが、業界用語で(その他に速度ヘッド、圧力ヘッドなど)、コンプレサーで重要なのは、インペラが流体に与える角運動量ヘッドです。
 この辺の簡単な概説は、以下のPower Point資料で見ることが出来ます。

http://fluid.mech.nagasaki-u.ac.jp/lecture1/fluid_machinery/%E7%AC%AC%EF%BC%95%E7%AB%A02006.ppt

 まあ、大学の先生が(教科書、見ながら)作った資料らしく、「大きくなる」と言うべきところを「小さくなる」と書いていたり、記号の使い方がメチャだったりしますが、重要なのは(5.2)(5.6)式(添え字1はインペラの入り口側、2は出口側を表します)から導かれる、相対速度の関係 W2 < W1 (圧縮機の場合)です。即ち、インペラ・ブレードに対して(=ブレードにしがみついた人から見て)流入する空気の速度は、出口に向かって減速する=出口側の断面積が入り口側より広い必要があります。
 現状のインペラは、横から見ると釣鐘状で、おそらく入り口直後で急に断面積が広がり、その後はあまり変わらない形状と思われますので、この辺は、ご提示の案に改良するのがよろしいかと思います。

投稿: くり | 2008年7月15日 (火) 午後 09時58分

どんな突込みが来るのかと、恐る恐るUPしましたが、
突っ込みなしかぁ・・・(ふぅ~っ)

F-BASICのソフトが乗っているサイトは、日曜日に見てました。
(勉強していたというより、計算式を眺めていた・・・)

出入り口の断面積が違うパイプモデルでの計算式を得とくしましたが、
ちょっと計算してみると、意外と面白いことに気が付いたのでした・・・

速度 Ua(入) Ub(出)
圧力 Pa(入) Pb(出)
断面積 A(入) B(出)
気体密度 ρ(1.29)

速度 Ub = A / B * Ua
圧力 Pb = Pa + ρ/2 * Ua ^2 ( 1 - ( A / B ) ^2 )

【所長の理解】
 速度は、もろに断面積比に影響される。
 面積比がデカければデカイ程、理想である。

 圧力は、流入速度と、断面積に影響される。特に速度の影響が大きい。
 断面積比がそれほど大きく無くても、速度が速ければ、それなりの結果が得られる。

 ただし、単純な計算で求められない世界(損失)がある。

ということで、断面積比の改良は、物理的な限界があり、
限界はだいたい見えているので、できる範囲でほどほどにしておき、
次の作業へ移るのが得策と考えた・・・

投稿: 所長 | 2008年7月15日 (火) 午後 11時48分

あなた達はすごい!! 敬服します(本当に)。 頭の構造の違いを感じます。 今までF3Aしか興味が無かった私には、どのような事をしても出来ない事柄です。
まして計算するなんて…。
計算式も覗いてみましたが、学生時代の遠い昔を思い出しました。 所長、色々助言をもらっているので、是非成功へ向けて益々頑張って下さい(としか言いようがありません)。

投稿: 支部長 | 2008年7月16日 (水) 午後 06時07分

E=IRより難しい計算は苦手なので、
極力計算しなくてもすむようにしたいものです・・・

投稿: 所長 | 2008年7月16日 (水) 午後 08時06分

 こんばんわ。

>ちょっと計算してみると、意外と面白いことに気が付いたのでした・・・

>速度 Ua(入) Ub(出)
>圧力 Pa(入) Pb(出)
>断面積 A(入) B(出)
>気体密度 ρ(1.29)

>速度 Ub = A / B * Ua
>圧力 Pb = Pa + ρ/2 * Ua ^2 ( 1 - ( A / B ) ^2 )

 最初の式は連続の式、2番目はベルヌーイの式とか呼ばれます。それぞれ、質量保存の法則と、エネルギー保存の法則に対応します。流れる流体が水などの非圧縮性流体の場合は、これでOKですが、空気は圧縮性流体なので、実際はもう少し話が複雑になります。まず一番確実に成り立つのが
 ρa * Ua * A = ρb * Ub * B
の連続の式です(さすが、質量保存は絶対的です)。ρa および ρb は、それぞれ入り口および出口の気体密度です。流体が非圧縮性の場合はρa = ρbなのでUb = A / B * Uaがでます。2番目にもっともらしいのが、ベルヌーイの式に似たエネルギー保存則(断熱変化などの場合)で、
 1/2 * Ua ^2 + (k/(k-1)) * Pa /ρa = 1/2 * Ub ^2 + (k/(k-1)) * Pb /ρb
です。ここで k は比熱比 Cp/Cv で、空気の場合約1.4です。で、一番いい加減に成り立つのが気体の状態方程式および断熱変化の式で
 Pa /ρa = R * Ta,  Pb /ρb = R * Tb
および
 Pa /ρa ^k = Pb /ρb ^k
で、ここで Ta, Tb は、入り口および出口の気体温度、R はガス定数です。で、結局、これらの連立方程式をウニウニと解いて、やっと結果が得られることになります(ふぅ~;)。

>速度は、もろに断面積比に影響される。
>面積比がデカければデカイ程、理想である。

 これは、そのとおりですが、出口を大きくすればするほど、流体の速度は落ちていきますので、結局、最後にはブレードから剥離して、所謂、失速が起きてしまいます。ですから、面積比(≒減速比)を極端に大きくすることは出来ませんし、ブレード間の断面積変化も、失速を招かないような滑らかな変化が必要です。
 サイトにも記載されてますが、実用的な減速比は 0.7 程度のようです。

>E=IRより難しい計算は苦手なので、
>極力計算しなくてもすむようにしたいものです・・・

 これは…、まあ、しばらくは辛抱して下さい。と言うか、計算してみると、意外とコンプレッサーの形状は限定的ということが分かると思います。で、ある程度、形状が決め打ちできたら、あとは計算しても誤差が大きすぎるというか、実験で試行錯誤した方が早いといった状況になりますので。

>どんな突込みが来るのかと、恐る恐るUPしましたが、
>突っ込みなしかぁ・・・(ふぅ~っ)

 やっぱり、突っ込みがないと「張り合い」がないですかー? じゃ、ひとつだけ。

http://endless-radicon.air-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2008/07/13/diffuser_air_route_01.jpg

で、もちろん不要な段差を少なくするのは、変な渦の発生を防止するのに効果的なんですが、エンジンが正常に働いている場合、インペラの円板下にはシャフトを冷却する空気の一部がベアリングを通して流れ込み、一般に、こちらの方の圧力が高くなりますので、インペラから噴出した空気が漏れとしてインペラ円板下に流れ込むことは、このシーリング効果でほとんどなくなります。

投稿: くり | 2008年7月17日 (木) 午後 10時12分

キタ―(゚∀゚)――!!! 突っ込み

突っ込みは無くてもいいんですが・・・
お約束ですかね・・・

はいその通りですね。
実際には、内圧が高くなるはず(はず!)なので、軸受けからの圧力で、インペラ下には流れないと思います。

まともに動くと、ご指摘の部分は「オイルでベトベトになるのかなぁ」とか思ってたりしてます。


ちなみに、どーでもいーのですが・・・(ひとり言ね)
今日のハノイは赴任してから最大の大雨で、道路が水浸し・・・
会社のドライバーも途中でギブアップ。
おかげで川の様な道路を、500mくらい、ひざ上まで浸かって歩いて帰ってきたのでした。

では

投稿: 所長 | 2008年7月18日 (金) 午前 12時03分

 こんばんわ。

>まともに動くと、ご指摘の部分は「オイルでベトベトになるのかなぁ」

 シャフト・ホール内の方が若干圧力が高くなると思いますが、損失その他で、オイルをガンガン送り出すほどの差圧は、コンプレッサ方向には生まれないと思います。というか、タービン・ディスク冷却用の流量はそれなりに確保する必要がありますので、むしろ、タービン側に送り出されるオイルが大半になると思います。

>今日のハノイは赴任してから最大の大雨で、道路が水浸し・・・

 ハノイ、今、雨季ですか?

投稿: くり | 2008年7月18日 (金) 午後 10時17分

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